ウイグルのジェノサイド・弾圧問題を愚弄する著名人

中国共産党政府によるウイグル自治区での人権問題ですが、「人権侵害問題」の一言で済ませられるほど生易しいものではありません。
ウイグル人に対して実行されている計画は民族・文化そのものを抹殺しようとするものであり大量虐殺、ジェノサイドです。
かつてナチスがユダヤ人に対して行っていたような民族抹殺計画が、現在進行形でされ遂行されています。
これは当サイトでも何度も記事にしてきました。
しかし、大新聞やジャーナリスト、著名人はこのウイグル問題に積極的に言及しようとしません。
それどころか、著名人の中にはウイグル問題を茶化したり、言及しないことについて何やら言い訳めいた発言をしているのが散見されます。
最近ツイッター上でも話題になった投稿をいくつか取り上げてみたいとおもいます。
香山リカ氏
ウグイル、ウルグイ、ウイルグ、ウルグアイ。
— 香山リカ (@rkayama) February 6, 2021
さて中国で人権問題が起きている地区はどこでしょう!?
えーとえーと……グイウル! https://t.co/PuhGigE0NE pic.twitter.com/RUt3zBRR13
香山氏本人の言い分は、「ウイグルと正しく表記もできないのにその人権問題を語ってるフリをする、哀れなネトウヨ」を馬鹿にしているつもりだそうですが、たとえそうであっても、こんな書き方をするのはウイグル問題そのものを小馬鹿にしているような印象を受けました。
米山隆一氏
兎も角、人権についてありとあらゆる問題を主張するにはまずウィグル問題を言わなければいけないという「右派」の「ウィグル話法」には心底げんなりします。ウィグルはウィグルでいいですが、目の前の、自ら実際に改善出来る、国内の人権問題をまず先言うのは、当たり前のこんこんちきじゃないですか
— 米山 隆一 (@RyuichiYoneyama) February 9, 2021
いや全く。ウィグル問題って、日本人にはいくら何を言ったってどうしようもない話で、幾ら熱心だからって、それはただひたすら世界平和を祈るような話で、何程も現実を変えないですよね。自分で訴えるのは自由ですが、他人にそれを強制する権利も、訴えていない他人を批判する権利もありません。 https://t.co/0fKIlt2fUK
— 米山 隆一 (@RyuichiYoneyama) February 10, 2021
「ウィグル問題って、日本人にはいくら何を言ったってどうしようもない話」だそうです。
しかし、ウイグルでの出来事は人権上大問題なだけでなく、日本人にとっても「遠い国での関係の無い出来事」ではありません。
ウイグルを侵略している中国はこれまでにウイグルだけでなくチベットでも虐殺を行ったり、南シナ海では力による現状変更を試みたり、台湾や日本のシーレーンを脅かしたり、ベトナムに戦争を仕掛けたり、日本の尖閣諸島には毎日のように領海侵犯を繰り返したり、周辺各国を軍事的に威嚇し続けています。
日本人としては他人事では無いのです。
尖閣を取られたら次は沖縄、その次は本土かもしれません。
もし日本が中国に占領され一自治区のようにされてしまった場合、ウイグルのような民族抹殺、ジェノサイドが起きるかもしれません。
実際に、日本人が中国人に虐殺された通州事件というものがあります。
これが再現されるかもしれません。
いまウイグルのジェノサイドを止めなければ、我々がやられた時に誰も止めてはくれませんよ。
明日は我が身。
我々のような一庶民が出来るのは、この事実を出来るだけ拡散する事ぐらいです。
もし、中国が日本を侵略・攻撃する事などあり得ない!と思う方がいらしたらこちらの記事を参照して下さい。
なお、この米山隆一氏は、立憲民主党が総選挙に向けて擁立していくようです。
【朝日新聞】立憲県連、新潟5区で米山氏推薦へ 野党統一候補見込み 2020/11/24
立憲民主党新潟県連は23日、10月24日の設立大会後、初の常任幹事会を開き、次期衆院選の新潟5区で前知事の米山隆一氏の推薦を決めた。
引用:https://www.asahi.com/articles/ASNCS3J6RNCRUOHB001.html
江川紹子氏
命と人権を思う
中国の中で抑圧されるウイグルやチベットの人々の命や人権が大事です。
〜中略〜
そのほか、世界にも日本の中にも、私が知らずにいる、命や人権に関わる問題がどれほどあるでしょう。
でも、私ができるのはほんのわずかで、全ての問題には到底関われません。
だからこそ、自分が関われていない問題に貢献している他者に敬意を持ち、情報を交換し、励まし合っていきたい、と思います。
ところが、自分が携わる問題に積極的に関わっていない人を責め、罵倒する人がいます。
おそらく、ご自身は心と時間と財産の多くを、その問題に捧げてきたという自負があるのでしょう。
そこまで自分を犠牲にし、他者の人権に尽くすあなたは立派です。誰もができることではありません。
でもあなたは、世界のすべての問題に関わっているでしょうか。
無理、ですよね。
あなたができないことを、他の人がやっています。引用:https://note.com/amneris/n/nbb7c88a5d88a
江川紹子氏の言いたい事は理解します。
誰しも森羅万象あらゆる事に言及する事はもちろん出来ません。
が、ジャーナリストとしては中国に対する脅威の認識が決定的に不足している気がします。
ウイグル問題は単なる中国国内の人権問題ではなく、中国による周辺各国への侵略行為の一環です。
そういった認識が感じられないのは以下のような記事をリツイートしている事からも窺えます。
「米国は気に食わない相手国に爆弾を落とすが、中国は気に食わない相手に金を落とす。中国の方がまだましだ」との声も。6Gに向けた戦いも始まっている、と。 →【Deep Insight】5G戦争 敗色濃い米国:日本経済新聞 https://t.co/mMBdOXI1mc
— Shoko Egawa (@amneris84) September 12, 2019
中国の方がまだましだ、ってそんな訳ないでしょう。
彼ら著名人やジャーナリストが決定的に欠落しているのは、これが重大な人権侵害問題であるだけでなく、中国は周辺国にとって軍事的な脅威であるという認識です。
彼らの言い分は、結果的に中国を利する事に繋がっているのではないでしょうか。