スパイ防止法が無いG7唯一の例外・日本、他先進国の状況は?

スパイ防止法が無いG7唯一の例外・日本、他先進国の状況は?

先日は

という記事を書いたが、さらにスパイ防止法がない事によるリスク、先進国での制定状況をあげておこう。

スパイ行為を直接取り締まることができない状況は、強盗事件が発生してもその行為自体を直接処罰できず、逃走中の交通違反や不法侵入といった周辺の法令違反によってのみ対処せざるを得ない状況に似ています。

時折り、スパイ防止法が無くても既存の法律で取り締まれると主張する輩が発生するが、この例えを思い出そう。

現代の国際環境では、地政学的緊張により、防衛秘密、国家機密の漏洩を防止する必要性や、サイバー攻撃、経済スパイ活動の増加に伴い、これらの法制度の重要性が高まっているのは明らかだ。
欧米諸国に比べて、情報保全やセキュリティ・クリアランスの制度が整っていないため、中国、ロシア、北朝鮮、韓国、その他外国のスパイが活動しやすい環境にある。
日本の最先端技術や経済情報を狙った産業スパイ活動は活発で、国家の安全保障や経済活動に深刻な影響を与える可能性が懸念されている。





日本の防諜体制の弱さから、同盟国との情報共有がスムーズに進まないという問題も指摘されている。

  • 国家の安全保障への影響:国家機密や経済情報の漏洩は、国の安全保障を脅かすだけでなく、経済活動にも大きな影響
  • 技術流出のリスク:日本の最先端技術が海外に流出し、軍事転用される可能性も懸念
  • 同盟国との関係悪化:先進国ではスパイ防止法が標準ですが、日本は防諜体制の不備から、同盟国や情報共有のパートナーとしての信頼性が低下。米軍やNATO、ファイブ・アイズとの情報交換が制限される恐れ

また、2014年に特定秘密保護法が成立したが、これはスパイ防止法とは異なる。
特定秘密の漏洩を処罰する法律であり、スパイ行為全般を対象とするものではありません。

先進国の多くで制定されている

スパイ防止法(反スパイ法、機密保護法、または国家安全保障関連法)は、国家の機密情報や安全保障を保護し、外国勢力による情報収集やスパイ活動を防止するために多くの先進国で制定されている。

例えば、米国、英国、フランス、ドイツ、オーストラリア、カナダ、スウェーデンなどだ。
G7でスパイ防止法が無いのは日本だけだ。

以下は、これら先進国におけるスパイ防止法やその関連法律の制定状況をまとめたものです。

アメリカ:Espionage Act(1917年制定)
  • 目的:軍事・外交機密の漏洩防止
  • 特徴:機密情報の漏洩に対して終身刑や死刑も可能
    • スノーデン事件など告発例多数
イギリス:National Security Act(2023年施行)
  • 目的:国家安全保障とサイバー・経済スパイ対策
  • 特徴:旧「公式機密法」を改正
    • 外国情報機関との協力行為も処罰対象
フランス:情報保護法(Loi sur la protection des secrets de la défense nationale)
  • 目的:国家防衛に関する機密情報の保護
  • 特徴:軍事・外交情報の漏洩に対して厳罰(懲役刑など)
    • 情報通信セキュリティ法と連携し、サイバー領域もカバー
    • 情報機関DGSEが監視・摘発を担当
ドイツ:国家反逆罪(Landesverrat)など刑法で対応
  • 目的:国家の安全保障と民主秩序の保護
  • 特徴:スパイ行為は「国家反逆罪」として刑法に明記
    • 終身刑も可能な重罪扱い
    • 連邦憲法擁護庁(BfV)が国内スパイ活動を監視
イタリア:刑法によるスパイ行為の規制
  • 目的:国家の安全保障、軍事機密、外交情報の保護
  • 主な規定:第256条〜第261条にかけて、外国勢力への情報漏洩や国家機密の不正取得に関する罰則が規定
    • 軍事施設への不法侵入や情報収集行為も対象
    • 有罪の場合、懲役刑(最大15年)などの重罰が科される
  • 監視機関:AISE(対外情報・安全保障機関)およびAISI(国内情報・安全保障機関)がスパイ活動を監視
スウェーデン:2022年に憲法改正を伴うスパイ活動防止法を可決
  • 目的:国外との関係に悪影響を与える情報漏洩の防止
  • 特徴:報道の自由と衝突する可能性が議論に
    • 国家治安警察(Säpo)が監視・捜査を担当
    • 違反者には最大4年の禁固刑
カナダ:安全情報法(Security of Information Act)などで対応
  • 目的:国家安全保障に関わる情報の保護
  • 特徴:独立したスパイ防止法は存在しないが、刑法や安全保障関連法で対応
    • CSIS(カナダ安全情報局)がスパイ活動を監視
    • 情報漏洩や外国勢力との連携に対して刑事罰
中国:国家安全法・反スパイ法(2014年・2015年制定、2023年改正)
  • 目的:国家利益の保護と外国勢力の排除
  • 特徴:広範な監視権限
    • 民間企業や個人にも通報義務
    • 人権侵害の懸念あり
韓国:国家保安法(1948年制定)
  • 目的:北朝鮮との敵対行為の規制
  • 特徴:政治活動も監視対象になる場合あり
    • 政治的利用の懸念が議論に

先進諸外国では逮捕者が出ている

これら先進諸外国では、実際にスパイ行為と認定されて逮捕される者が出ている。
例えばアメリカ、ドイツ、フランス、スウェーデンや、ロシアと交戦状態にあるウクライナなどだ。 みなさんも検索すればすぐにわかるだろう。

スパイがこの日本でも活動しているはずなのだ。
それを直接取り締まる事に反対する政治家やマスコミが存在している事自体が信じがたい。

中国ではアステラス製薬の社員がスパイ認定され実刑判決まで出ているが、中国のあの過剰反応は自らがスパイ行為を働いているために「日本もきっと中国に対しスパイ活動をしているだろう」と疑心暗鬼に陥っているため、と見るのが自然なぐらいだ。

日本では、スパイが逮捕されたという報道を見たためしがない。
周辺の法令違反での摘発は実際には「やれない」のであろう。
スパイ防止法に反対する連中を炙り出しつつ、制定に向けて動く党に投票するしかない。

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