中国が各国で選挙・政治に介入。日本ではパー券購入で政治関与か?中国の政治介入を報道せよ!

中国が各国で選挙・政治に介入。日本ではパー券購入で政治関与か?中国の政治介入を報道せよ!

中国が各国で選挙や政治に介入しているという報道が相次いでいる。最近話題の自民党のパーティ券問題とも関連がある。
具体的な事例を見ていこう。

目次

  • 中国がカナダ総選挙に介入
  • アメリカ大統領選にも介入
  • 台湾総統選にも介入
  • イギリスでは政治献金を通して議会に介入
  • 日本では今話題のパー券購入で政治介入

中国がカナダ総選挙に介入

2023年3月、カナダで行われた過去2回の総選挙に中国が介入し中国に敵対的な保守派の候補を落選させようとしていた、という報道があった。
地元紙グローブ・アンド・メールは、カナダ政界の分断を計る工作をしかけていた、と報道している。
ジャスティン・トルドー首相は「私たちのまさに中核に対する攻撃だ」として、特別調査官を任命して調査を進めると発表。
介入の手口としては寄付のほか、中国人留学生を選挙ボランティアとして働かせる等があったという。中国には「国家情報法」があり、国外に在住する中国国籍人にまで中国共産党政府の情報工作活動への協力を義務づけている。留学生であろうと、指示を受ければたちまち工作員と化すのだ。日本でも、中国人留学生が中国軍関係者に命令されてJAXAへのサイバー攻撃に関与していたという実例がある。

【画像】カナダ国旗

民主主義の根幹をなす選挙に、一党独裁の覇権国家・中国が介入していた訳で、大変恐ろしい事ですよ。
これは、ハイブリッド攻撃(hybrid warfare, 正規・非正規手段が混在した脅威、戦争の様相)、または超限戦と呼ばれるものの一種ですね。
中国はカナダ政界にまでその魔手を伸ばしている。

  • 【BBC】カナダの総選挙に中国が介入の疑い トルドー首相が調査を指示 2023年3月7日
    https://www.bbc.com/japanese/64871089
  • 【NHK】“カナダの総選挙に中国介入”報道 トルドー首相 本格調査へ 2023年3月7日
    https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230307/k10014000961000.html

アメリカ大統領選にも介入

実は、似たような事例が各国で相次いでいる。
次は同じく北米大陸のアメリカの事例だ。アメリカでも2016年の大統領選時にロシアが介入した疑惑があるし、中国はSNSを使って世論分断、世論操作工作をするための情報発信をしている。
どうやら、保守派米国人を装ったSNSの偽アカウントをつくり、銃規制や妊娠中絶などの意見が二分されるようなテーマで情報発信を続けて世論操作を計っていたようだ。
米マイクロソフトの調査報告によると2023年3月頃から生成AIを使い、米有権者になりすました英語投稿が見られはじめたという。

そういえばTwitter上でウイグルの人権問題に関して、ウイグル族を名乗る人物の「ウイグル族弾圧はデマ」と語る中国を擁護するような情報が多くあったが、中国の偽アカウントを潰したらたちまち激減した、というような事があった。中国政府による組織的キャンペーンだったと言われている。
また、Twitter社内部にも工作員が社員として紛れ込んでいたという報道まであった。

  • 【時事ドットコム】中国、米選挙に介入工作か 当局がAI活用―マイクロソフト 2023年09月08日
    https://www.jiji.com/jc/article?k=2023090800730
  • 【日経新聞】米中間選挙、中国・ロシアの介入警戒 世論操作で分断 2022年11月5日
    https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN042070U2A101C2000000/

台湾総統選にも介入

もちろん、台湾も選挙介入の標的にされている。
2024年1月13日に実施される台湾総統選挙について中国は「平和か戦争の選択」だと定義しており、独立派である民主進歩党が勝てば「戦争の危険が高まる」と宣伝工作をしている。そうなれば戦場に行くのは若者だぞ、と若者を脅して世論や意思決定へ介入し、投票結果に影響を与えようとしているのだ。
日本でもテレビのニュースやなんかで、独立派が勝てば戦争になる、といった論調が見受けられるが、この宣伝工作にハマっているのだろうか。

【画像】台湾国旗

さらに、米バイデン大統領が11月に行われた米中首脳会談で「台湾の選挙に介入しないよう」警告した事をうけ、中国当局は選挙への介入工作を隠蔽するよう指示をしていたという。いかにも習近平がやりそうな事だ。

  • 【産経新聞】中国、台湾総統選への介入「隠蔽」指示 月初、党要人らが会議 2023/12/12
    https://www.sankei.com/article/20231212-XXRS4IZ3SBMDBMBLBJVJ5MBBDA/
  • 【東京新聞】中国の世論工作、若者に照準 台湾情報当局が介入分析 2023年12月13日
    https://www.tokyo-np.co.jp/article/295831

イギリスでは政治献金を通して議会に介入

まだある。
イギリスでは、中国の工作員が政治献金を通して議会に食い込み、政治に介入していたという。
この工作員とみられるクリスティン・チン・クイ・リー氏は、最大野党・労働党のバリー・ガーディナー下院議員に外国からの金を献金していたという。
MI5(情報局保安部)は同氏が中国共産党の工作部と秘密裏に連携していた、と警告している。
英国内に法律事務所をかまえている人物が、中国共産党の代わりに国会議員を対象とした工作活動をしていた訳だ。
これはBBCで2022年1月に報道されている内容だ。

  • 【BBC】英MI5、「中国工作員」が議会で暗躍と警告 中国は否定 2022年1月14日
    https://www.bbc.com/japanese/59975872

日本では今話題のパー券購入で政治介入

このイギリスの事例を見て、思い出されるのが昨今マスコミでとりあげられている自民党のパーティ券疑惑である。
外国人献金は禁止されているが、パー券購入に関しては外国人への規制は無いのである。政治資金規正法は「ざる法」であり、これは法の抜け穴だ。
寄付や事業収入と同じ扱いで表沙汰になりにくい。

【画像】政治資金パーティーのイメージ

実際、自民党参議院議員の青山繁晴氏は「パー券を買った外国人に政治家が脅される事例」を見た事があると言っている。
また、作家の門田隆将氏は政治資金パーティーに参加した中国人から「中国人、中国団体の参加者がパーティ会場のあちこちにみられた」という話を聞いたそうだ。海外ではこれだけ中国共産党の組織が工作活動をしているというのに、日本だけ例外だとは思えない。
当然、共産党支配下の組織、人間が日本でも暗躍していると考えるべきだろう。

このように外国勢力、特に中国が政治家に対して影響力を及ぼしているのは、パー券闇金、キックバックと同様か、それ以上に問題ではないのか。経済や防衛のあらゆる局面に影響する。
マスコミはもっと中国人が国政に関与・介入しようとしている事を闇金問題と同様に積極的に報道すべきだ。
そういった報道があまり見られないのは、すでにマスコミの中にまで中国が影響力を及ぼしている証なのか。

  • 【夕刊フジzakzak】「外国人パー券購入禁止しろ」自民・青山繁晴氏が激白 規正法の〝抜け穴〟かつて「外国勢力に政治家が脅される事例も」 2023.12/20
    https://www.zakzak.co.jp/article/20231220-BZG5ZQVKQRL5JIOMTBUOWVNZII/
  • 【夕刊フジzakzak】外国人パーティー券購入の〝抜け穴〟門田隆将氏が問題提起「法の趣旨に反している」 会場埋める中国人たちへ危険な〝借り〟 2023.12/25
    https://www.zakzak.co.jp/article/20231225-XGLSZ3ZPY5OE7CFLPZ26DUGKF4/

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