内閣府タスクフォース資料に中国企業のロゴ!エネルギー政策に中国の影響が?マスコミはどう報じた?
内閣府の「再生可能エネルギータスクフォース」の資料に中国の電力会社の「国家電網公司」のロゴ透かしが入っていた事が発覚、政府中枢の日本のエネルギー政策が中国の影響を受けていたのではと騒ぎになっている。
報道も一段落してきたところで、新聞各紙の報道内容を比較してみよう。
国家電網公司ロゴ入り資料について
まずは、何が起こっていたのかのおさらいから。
この中国企業ロゴ入り資料は、同タスクフォースの民間構成員で反原発派でもある大林ミカ氏により提出されたものだった。
その大林ミカ氏が事業局長を務める「自然エネルギー財団」は、国家電網公司とともに中国と日本やアジア諸国との電力網を一本化し、太陽光、風力、水力発電等の再エネ相互活用を進める構想の「アジアスーパーグリッド(ASG)」を推進していた。
さらに、このアジアスーパーグリッドを推進する団体「GEIDECO」の会長は、先の中国・国家電網公司の会長でもあり、副会長はソフトバンクの孫正義氏である。
当然、この団体は中国共産党の支配下におかれていると見るべきだろう。
それで日本各地で不自然な勢いでメガソーラー建設が進んでいたのか…と何だか腑に落ちる感じがする。
有事の際に電力網が遮断される恐れ
もし日本の電力網が中国の影響下におかれると、いざ紛争や有事の際には中国に電力が遮断される可能性がある。
これは空想の話ではなく、現実にフィリピンの電力網は中国の影響下にあり、紛争の際にはいつでも遮断される可能性があると米CNNが報道している。
- 【CNN】フィリピンの電力網、中国が「いつでも遮断可能」 内部報告書が警告 2019.11.26
https://www.cnn.co.jp/world/35145970.html
台湾や沖縄・尖閣諸島周辺で有事が起こったら…
実際にあり得るシナリオである。
河野太郎規制改革担当相は、単に手違いで資料にロゴが紛れ込んだ的な説明をしているが、そういう問題ではないだろう。
コトは安全保障にかかわる重大な問題である。
政府中枢のエネルギー政策にまで中国が浸透していたのかと恐ろしくなる。
何故このような人物を重用していたのか。
大林氏はロゴ入り資料を国連でも使用していた!
大林氏は、このGEIDECO関連のシンポジウムで国家電網公司の関係者から資料の提供を受けたそうだが、ロゴ入り資料は他にも経済産業省と金融庁、国連や欧州連合(EU)での関連機関の会議でも使っていたらしい。
- 【産経新聞】<独自>中国企業ロゴの透かし、国連やEU関連機関への資料にも 国際会議で誤認招く恐れ 2024/3/27
https://www.sankei.com/article/20240327-H3IX6VXTXZCITAPA63NEICSD3Q/
日本が中国と協力体制にある、または日本が中国の影響下にあると誤認されたらどうするつもりなのか。
「何でも反対党」の立憲民主党の反応は?
自民党のやる事には外来種のカミツキガメ並みに何でも噛み付いては反対に回る立憲民主党が、何故かこの事件においては静かである。
それもそのはず、立憲民主党のオフィシャルサイトでは何度も大林ミカ氏との対談コンテンツがアップされている。
大林氏と西村幹事長の対談コンテンツはこちら。
自然エネルギー財団の事業局長、大林ミカさんと西村幹事長が「脱炭素に向けた戦略と日本」をテーマに対談!大林さんは、これまで30年にわたって自然エネルギーの普及、脱原子力、脱化石燃料、気候危機の問題に取り組んできました。
— 立憲民主党 (@CDP2017) May 23, 2022
記事をご一読ください🌍https://t.co/WKH2fJ1B4o pic.twitter.com/jvPjkzvrVM
このコンテンツは現在削除されているが、2024年3月20日まではその存在が確認されており、騒動後に削除されたようだ。
どうせ削除するなら、ツイートごと削除しないといけないよ。
他にも、立憲民主党公式サイト内のアーカイブページに大林氏と党エネルギー調査会長の近藤昭一議員との対談ページが残されている。
- 【立憲民主党公式サイト】日本が再生していくためのエネルギー政策を 自然エネルギー財団事業局長・大林ミカさん×党エネルギー調査会長・近藤昭一衆院議員 2019年7月2日
https://archive2017.cdp-japan.jp/report/20190610_1788/
立憲民主党は、大林氏や自然エネルギー財団を非常に好意的に紹介していた実態がよく分かる。
全国紙の報道
国家のエネルギー政策の中枢に中国の影響が及んでいるかどうかという一大事を、新聞各社がどのように報道していたかは非常に重要だ。
個人で全国紙各紙の記事を確認出来る範囲は限定的かもしれないが、それでもおおよその傾向は掴めるだろう。
そういう考えのもと、各紙の記事を比較検討してみた。
以下はその結果である。
各社とも複数の記事があるが、代表的な記事をピックアップして、ひとつひとつ、例をあげながら見ていこう。
最初に、産経新聞の記事から
高市早苗経済安全保障担当相が、具体的にエネルギー政策に「他国から干渉されるようなことがあってはならない」と発言したと報道している。また、「中国企業に繋がりがある」とも指摘。
社説でも中国の工作を疑えと主張するなど、全国紙四紙の中で最も熱心にその重大さを訴えている。
- 【産経新聞】<主張>再エネ資料にロゴ 中国の影響力工作を疑え 河野担当相の責任は重大だ 2024/4/1
https://www.sankei.com/article/20240401-OK3BL3MXVFNBDKYMXUGDBPMHLQ/ - 【産経新聞】高市氏、速やかな調査、対応求める エネルギー政策「他国の干渉あってはならない」 2024/3/26
https://www.sankei.com/article/20240326-7SK36OYDU5PPNHH5LNXBPWJSYA/
他にも櫻井よしこさんの寄稿を掲載するなど、明確に中国の影響と、コトの重大さが伝わってくる。
読者に、はっきりと中国の脅威が伝わる報道だと思う。
2番目に読売新聞
読売新聞は、高市経済安全保障相がエネルギー安全保障の重要性を指摘し、「他国からの干渉を受けてはならない」と述べたことについて報じています。
この発言は、エネルギー安全保障の重大性を強調するものです。
- 【読売新聞】再エネ会議資料に中国企業ロゴ、提出したのは河野太郎氏推薦の委員…高市早苗氏「他国の干渉あってはならない」 2024/03/27
https://www.yomiuri.co.jp/politics/20240327-OYT1T50188/
産経新聞よりも、記事の量は劣るが内容自体は真っ当だ。
3番目に朝日新聞
朝日新聞の記事では『国会でも「エネルギー政策分野に特定の国が影響を及ぼしうるとすれば、看過できない安全保障上の問題だ」
』と国会でも批判されている事が分かる書き方だが、複数記事を読んでも高市早苗議員の固有名詞は出てこない。
出来るだけ高市早苗議員には触れたくない、排除したいという意図が垣間見える気がする。
- 【朝日新聞】再エネ規制の有識者会議メンバーを辞任 中国企業ロゴ掲載の指摘で 2024/3/27
https://www.asahi.com/articles/ASS3W35KTS3WULFA008M.html
実に朝日新聞らしい報道姿勢だった。
最後に毎日新聞
毎日新聞は高市議員の発言や維新や国民民主の批判などを取りあげることもなく、「インターネット上で中国による政策干渉を疑う声が出ていた
」と書くなど、そんな事はインターネット上での話題に過ぎないのだと事態を矮小化させている。
別の記事でも『「SNS(ネット交流サービス)では「事の重大さがわかっていない」「信用できない」といった声も相次いだ」
』と、あくまでもネットユーザーが騒いでいる、程度の扱いである。
つまりこの事態は「たいした事ではない」という印象を受けるように誘導するような書き方になっているのだ。
- 【毎日新聞】内閣府資料に中国ロゴ問題「資料作成者は事務方が提案」 官房長官 2024/3/28 https://mainichi.jp/articles/20240328/k00/00m/040/123000c
- 【毎日新聞】内閣府の会議資料に中国企業のロゴ 河野太郎氏、Xで釈明 2024/3/25 https://mainichi.jp/articles/20240325/k00/00m/040/186000c
毎日新聞的には「美味しい」はずの不祥事だが、中国が関係するとこのように追及の手が緩められるのである。
まとめ
以上、全くの私見だが各紙の報道内容を比較表にしてみた。
産経新聞 | ◎ | 社説あり |
---|---|---|
読売新聞 | ◯ | 高市議員の言及有り |
朝日新聞 | △ | 高市議員の言及無し |
毎日新聞 | × | ネット上の騒ぎだと矮小化 |
テレビ朝日は、野党から懸念の声、と記事を書いているが、その肝心の野党とは維新と国民民主だけである。
何でも反対党の立憲民主党、共産党、社民党、れいわ新選組は中国が絡むと実におとなしいのだ。
テレ朝の「野党などから」という書き方は実態を反映していない誤解を招く書き方である。
- 【テレ朝news】“中国国営企業ロゴ”内閣府資料に 「エネルギー政策に影響」野党などから懸念の声も 2024/03/30
https://news.tv-asahi.co.jp/news_politics/articles/000342930.html
大林氏は、再生可能タスクフォースの民間構成員を辞任したそうだが辞めねばならんような人物が何故ここまで重用されて政府中枢に入り込めたのか。
人的クリアランスの審査はどうなってるんだと思うが、そのセキュリティクリアランス法案に反対なのが、これら共産党、社民党、れいわなのである。
(立憲は反対だったが最終的には修正案で賛成)
何か色々と見えてくるじゃないか。
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参考記事
- 【産経新聞】中国企業ロゴ入り資料作成、自然エネルギー財団の大林ミカ氏が内閣府タスクフォース構成員を辞任 2024/3/27
https://www.sankei.com/article/20240327-ZBLZQ2HO6JMBZPJUQUGO2MAUWU/