【種苗法まとめ】日本発の高級ブドウのブランド品種「シャインマスカット」等の中国・韓国への流出が深刻化

【種苗法まとめ】日本発の高級ブドウのブランド品種「シャインマスカット」等の中国・韓国への流出が深刻化

日本発のブランド品種であるシャインマスカットやルビーロマン、ジュエルマスカットなどの高級ブドウの海外流出が深刻化しているとのニュースが相次いでいます。
シャインマスカットは流出先の韓国での輸出額は、日本のなんと5倍超となったそうです。
また、農林水産省の調査によると、中国では「陽光バラ」「香印翡翠(ひすい)」「香印翡翠」といった中国名で販売されています。
※「香印」はシャイン(Xiāng yìn)と発音

イチゴでは「章姫(あきひめ)」「レッドパール」といった日本品種が韓国で無断栽培され、韓国内のイチゴシェアの過半を占めているそうです。
こういった中韓による無断栽培が日本産の農作物の輸出の足かせとなっています。

以下、韓国での流出の実態を伝える関西テレビの報道を一部引用してみます。

【関西テレビ - Yahoo!ニュース】なぜか日本の高級ブランド果物の“韓国産”が…現地の農家「先進国の立場で大目に見て」海外で無断栽培取り締まれるか 2021/8/22
韓国・ソウルにある高級デパートでなぜか“韓国産”の「ルビーロマン」が売られていたのです。その価格は、日本円で1房 約8,000円でした。

 さらに山梨県限定のはずの「ジュエルマスカット」も“韓国産”として販売されていて、実はこれら、日本に無断で栽培されたものなんです。
 勝手に栽培しているという韓国の農家をたずねると、看板には「ジュエルマスカット」の文字。直撃取材すると…。

~中略~

<生産者>
「手順を踏んで手に入れたものではない。日本側から見れば盗み出したと考えるが、先進国の立場で大目に見てほしい」
 さらに、ルビーロマンの苗木を販売する業者に話を聞くと…。

<苗木販売業者>
「世界的に見れば小さい話だ。すべて中国から輸入している。文句を言うなら中国に言え」

引用:https://news.yahoo.co.jp/articles/9d62c1304f243662ad0f0e87a944724b6788e2cf

手順を踏んで手に入れたものではない。日本側から見れば盗み出したと考えるが、先進国の立場で大目に見てほしい
世界的に見れば小さい話だ。すべて中国から輸入している。文句を言うなら中国に言え
すごいセリフです。全く悪びれる様子がありません。
中国を経由した流出ルートもある事が分かります。

流出したシャインマスカットについては、中国・韓国での生産量が日本を上回ったという報道もありました。
以下は日経新聞からです。

【日経新聞】日本発のシャインマスカット、中韓の生産が日本上回る 2021年8月15日
流出先の韓国では、もともとのシャインマスカットが今や輸出の主力となり、輸出額は日本の5倍超に膨らんだ。中国国内での栽培面積は日本の40倍超に及ぶ。

引用:https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA076360X00C21A7000000/

ほか、いくつか記事をピックアップしておきます。

このような海外への種苗の流出・持ち出しは従来の種苗法では違法とはならなかったため、これを防止する策として改正種苗法が2020年12月9日に公布されました。

しかしこの改正種苗法、マスコミや、野党である立憲民主党や共産党、社民党からの猛批判にあいました。
その批判の内容は、マスコミのいつもの「不安を煽る」やり方であったり、「有名女優も反対している」といった中身が伴っていない報道だったりと、印象操作の域を出ないものが多いのではないかと感じていました。
そこで、マスコミ・野党の言い分をよく吟味したうえで、農林水産省のwebサイト等を参考に、自分なりに簡単なまとめを作成してみる事にしました。

改正種苗法にまつわる論点まとめ

両論併記をせず種苗法反対一色の印象操作に終始するマスコミの情報の洪水から脱する一助となれば幸いです。

【論点1】自家増殖は一律禁止になるのではないか。
一律禁止にはならない。現在利用されているほとんどの品種は一般品種・在来種で、種苗法改正後も自由に自家増殖ができる。自家増殖に許諾が必要となるのは、登録された登録品種のみ。[1]
【論点2】登録品種の使用料を払うのは農家にとって大きな負担ではないか。
農水省によると流通する種苗の9割は一般品種で、改正の影響を受けない。[2]
【論点3】登録品種の割合が高い作物を扱う農家は、手続きの煩雑さ、使用料で経営が立ち行かなくなるのでは。
登録品種の割合が高い作物の例としてサトウキビがあるが、そのほとんどが農水省系や県の研究機関が開発元で産地の振興・農業の発展を目的としており、法外な種子代・手続きの煩雑さを要求しない。これは他の作物でも同様である[3]。また、民間の育成会社も農研機構や都道府県の許諾料の水準を見ており、著しく高額な許諾料となることは考えにくい。[3-2]
【論点4】農家が今まで使っていた品種が品種登録され、許諾料を払うことになるのではないか。
現在利用されている品種はほとんどが一般品種(登録品種以外の全ての品種)で、許諾・料金等の利用条件は一切無い。内訳は米17%、みかん3% 、りんご5%、ぶどう13%、ばれいしょ10%、野菜9%[4]
【論点5】登録品種を無断で使ってはいけないことになる。使用料を払うのは農家にとって大きな負担ではないか。
許諾料は大きな額ではない。許諾料の例:水稲A:10a(=1,000㎡)当たり許諾料2.56円(自県農業者)。許諾料が増えて経営が立ち行かなくなるという事態は、考えにくい。[5]
【論点6】何故、登録品種の自家増殖に使用料を払わないといけなのか。農家にとって負担ではないか。
薬品や音楽、ソフトウェア、映像、小説等、膨大な労力・コストをかけた開発者に使用料を払うのは当たり前。種苗のみタダで使わせろというのは筋が通らない。これでは開発者が居なくなってしまう。現状では開発者が得られるインセンティブが少なすぎる。
【論点7】流出した種苗の生産をやめさせるには、海外で品種登録すれば良い。種苗法は必要ないのでは。
海外での品種登録は、それはそれで進めるべきであるが、育成者にとって海外での登録作業は手間も時間もかかる。また、中国では知的財産権侵害が多発し国際問題になっているため、海外の法制だけに委ねるのは危険。種苗法改正によって登録品種1975品種を海外持ち出し禁止となった。流出そのものを抑止させるための水際対策強化も必要である。[6]
【論点8】グローバル種子企業に登録品種が譲渡されてしまうと「種は海外から買う」ものとなり、「流出阻止」のはずが「流出促進」となってしまうのではないか。法外な許諾料を使用者から取るのでないか。
日本には種苗会社や国や都道府県の研究機関があるので、海外のバイオメジャーに日本の種苗が独占されるとは考えにくい。また、譲渡は無償ではなく育成者権の売買となる。日本の種子を独占しようとすると莫大な費用がかかるため、殆どあり得ない想定である。むしろ種子産業が利益を出せるようになれば企業・個人の種苗家も開発に注力し、種苗ライセンスビジネスが一大産業として活性化する。

出典

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