台湾で相次ぐ海底ケーブル切断事件と、沖縄・石垣島のケーブル故障、通信途絶は中国の仕業か?

台湾で相次ぐ海底ケーブル切断事件と、沖縄・石垣島のケーブル故障、通信途絶は中国の仕業か?

2023年2月上旬、台湾本島と離島・馬祖列島を結ぶ海底ケーブルが1週間のうちに2本が相次いで切断、通信状況に不具合が起こっているそうだ。
台湾の通信行政によると、2日と8日の両日ともに中国籍の船が通過した際に起きた可能性があるという。また、同海底ケーブルはここ5年の間だけで20件の切断等による通信障害が発生しているという。
台湾メディアは「安全保障上の危機に発展する恐れ」があると警鐘を鳴らしています。

  • 【読売新聞】台湾海底ケーブル、相次ぎ切断される…同時間帯に通過の中国船か 2023/02/18
    https://www.yomiuri.co.jp/world/20230218-OYT1T50017/

いや、これ…
確たる証拠は無いようですが、中国がやりましたよね?

台湾の海底ケーブル切断事件は他人事ではない!

実はこの海底ケーブル切断事件、他人事ではないのだ。

【画像】通信が途絶した竹富島

日本でも2019年に沖縄本島と石垣島を結ぶ海底ケーブルが損傷。沖縄県内をループ状に結ぶ通信回線が、今回の台湾の海底ケーブルと同じように短期間に2カ所損傷、しかもそのうちの一箇所は何故か台風が接近する前に損傷。
これにより固定・携帯電話、インターネットの通信が11時間途絶し、もちろん119番も対応できずだったという。報道では「損傷」としか書かれておらずケーブルの切断なのか、通信機器の故障なのかは分からない。
当時の琉球新報の記事は下記参照。

  • 台風の夜になぜ通信障害が発生した? ループ回線2カ所損傷 NTT「究明急ぐ」 2019年10月02日
    https://ryukyushimpo.jp/news/entry-999918.html

それだけではない。
2022年11月にも、ループ状のケーブルの内一箇所で故障発生。反対側のもう一箇所でも故障が発生すると、2019年の時のように完全に通信が途絶する事態になったという。
こちらも、当時の琉球新報の記事は下記参照。

  • 石垣島と沖縄本島をつなぐ電話ケーブル2本のうち1本が故障 装置の不具合 石垣市、竹富町が注意呼び掛け 2022年11月03日
    https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1610046.html

2019年に続いて、2022年にも発生していた訳だ。

近年、石垣島沖では頻繁に中国公船が出没するようになっている。これらは無関係なのだろうか。
中国がやったという証拠は無いのだが…。
いざ、有事ともなればどうなるのだろう。(ちなみに沖縄県知事の玉城デニー氏は「中国公船がパトロールしているので刺激するな」と発言して石垣市議会に非難された事がある。)

【画像】石垣島の海中

既に、2022年1月の週刊エコノミストの記事で指摘されていた。
これを読めば読む程、中国によるサイバー攻撃だった可能性が頭をよぎる。
台湾国防部では、中国は第一列島線(※)以西で台湾の通信を遮断する能力を既に持っていると指摘しているそうだ。
※第一列島線:九州を起点とした沖縄、台湾、フィリピン、ボルネオ島にいたる中国の対米防衛ライン

  • 【週刊エコノミスト】ヤバすぎる日本の海底ケーブル 台湾有事でネット接続全滅リスク 2022年1月31日
    https://weekly-economist.mainichi.jp/articles/20220208/se1/00m/020/046000c

特に日本のインターネット事情はアメリカのクラウドサービスによるところが大きいため、一旦海底ケーブルが切断されてしまえば、社会基盤を揺るがす大惨事にもなりかねない。
また、これらのサイバー/インフラ攻撃はウクライナ危機の事例を見るまでもなく、実際の攻撃の前哨戦となるかもしれない。また、今すぐの正規戦の攻撃でなくとも、海底ケーブル切断で日本のどういった組織がどの程度の時間をかけて復旧させるのか、中国は観察してデータを収集しているのかもしれない。

いま相次いでいる中国の偵察気球事件のように、あの時のアレはやっぱり中国の仕業だったんだ、なんて事になるような気がする。(何度も言いますが、中国がやったという証拠はありません)

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