【まとめ】中国人女性が沖縄の無人島購入!重要土地利用規制法と特別注視区域はどうなっている?

【まとめ】中国人女性が沖縄の無人島購入!重要土地利用規制法と特別注視区域はどうなっている?

30代の中国人女性が個人で沖縄県の離島を購入したとSNSで発信し、ネット上で話題になっている。本件について、下記のようにまとめてみました。

中国人女性が沖縄の離島を購入

中国人女性が購入したという島は沖縄県の伊是名村(いぜなそん)の屋那覇島(やなはじま)という沖縄本島にほど近い島で、全体の5割を取得。ビーチもある沖縄最大級の無人島だという。

これまで、中国資本が都市部だけでなく、山林・森・水源地、原発や基地の隣接地までも取得してきたのは度々ニュースにもなっていた。今回のは、約50キロ離れた伊江島に米軍のミサイル演習拠点もあるという。広く高低差も少ない地形から、南沙諸島のように何らかの軍事関連施設を建設する事も可能だろう。
防衛上、重要な施設が集中している沖縄の土地がこんなに簡単に中国人の手に渡ってしまって良いのかどうか。何か問題は無いのだろうか。

【画像】沖縄県の伊是名村(いぜなそん)の森林公園から屋那覇島(やなはじま)を見た景色

実際の登記上の所有者は、不動産投資及びリゾート開発をしている中国ビジネスコンサル会社だった。どうやら、その女性の親族の会社のようだ。女性が投稿した動画には、この会社宛ての封書も映っているそうだ。なお、その会社のURLはこの記事の末尾に記しておく。
以下はNHKの記事。ちなみに、NHKの記事では何故か中国系企業だと書かれておらず「中国でビジネスを展開する企業」とぼかした表現になっているのも腹立たしいが。こういう事ははっきりと書きなさい。

  • 【NHK】中国でビジネスを展開する企業 無人島の約半分の土地取得 02月10日
    https://www3.nhk.or.jp/lnews/okinawa/20230210/5090021934.html

「正当な経済的行為なんだから別にいいじゃない」「土地は持って帰れない」といった見解も一部あるようだが、中国のSNSでは「領土が増えた」「尖閣(中国名: 釣魚島)も買おう」等といった声があるという。

  • 【産経新聞】中国女性「沖縄の島を購入」とSNS投稿 「領土増えた」反応 2023/2/11
    https://www.sankei.com/article/20230211-76HQEVVY3NJBRIYYALX6KEND6M/

やはり、中国人はそう見ているのか。
日本人はあまりに無警戒・呑気すぎないか。

不動産売買は相互主義

不動産の売買に関しては、本来は相互主義が基本だ。中国人が日本の土地を買えるならば、日本人も中国の土地を買えねばならない。
しかし世界にあって中国だけは例外である。共産党一党独裁の中国では、外国人には一切土地を売らない。
中国は日本の大使館の土地はほとんど「購入」しているが、日本は在中国公館は「賃貸」だという。 中国とは相互主義が成り立っておらず片務主義となっている。

これは韓国と中国との間でも同様で、中国人が韓国の土地の取得にあたっては、軍事施設周辺等を除きほとんど無制限であるという。
韓国には、相互主義を適用すべきと主張する議員も居る。まあ当たり前の反応だろう。
特に近年は国防上の懸念もあり、外国人による土地取得に制限をかける国が増えてきている。
アメリカでも、テキサス、フロリダ、アーカンソー州等で、中国人に限定した不動産購入を禁止する法案が検討されているという。
中国人限定というあたりが思い切った施策だが、やはりアメリカは危機管理には敏感だ。

重要土地利用規制法と特別注視区域

以前からこうした外国勢力による安全保障上問題のある土地取得の指摘はあったが、長年放置されてきた。ようやく2021年6月に「重要土地利用規制法」が通常国会で成立、2022年6月に一部施行したその後、2022年9月には全面的に施行開始。

  • 【日経新聞】重要土地利用規制法、20日に全面施行 妨害電波など事例 2022年9月16日
    https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA14COU0U2A910C2000000/

では何故、今回の中国人女性は離島購入が出来たのか。
このカラクリは「注視区域」と「特別注視区域」にある。これらは以下のように定められている。

  • 注視区域…原子力発電所や防衛施設等の重要土地周囲約1キロ以内と、国境近くの離島の周辺
  • 特別注視区域…司令部機能のある自衛隊基地周辺

【画像】重要土地規制法が定める注視区域

また、一定規模以上の不動産を売買する際は、氏名、国籍、利用目的を事前に届け出る事を義務付けている。
区域内で電波を妨害したり、大きな工作物を建てレーダーや航空機の発着を妨げたり、ライフラインを寸断させる等の土地利用が確認されれば、政府は中止命令を出せる。従わなければ懲役刑等の罰則もある。

以上のように重要土地利用規制法は定められているが、2月13日の記者会見で松野官房長官は今回の島購入は規制の対象外だと回答している。「国境離島」ではないし、重要土地1キロ以内でもないという訳だ。

これが規制出来ないなら何のための法律かと思う。
この法律の制限に引っかからない土地はどれほどあるのだろう。しかも、この法律は外国人による土地購入そのものを制限するものではない。

公明党や、朝日新聞等の左派メディアの反対

2021年3月当時、この重要土地利用規制法案に反発・反対し、潰したのが自民党と連立を組む公明党である。
故・石原慎太郎氏は、自民党に「公明党はいずれあんたがたの足を引っ張る」と話していたがまさにその通りになった。

もちろん左派メディアも反対の姿勢だ。
朝日新聞は、法案成立について見出しに「与党押し切る」と書き、自民党が良からぬ法律を強引に成立させたかのような印象操作を行なっている。

  • 【朝日新聞】土地規制法が成立 国会閉会直前、与党押し切る 2021/6/16
    https://www.asahi.com/sp/articles/ASP6J03KFP6HUTFK02N.html

また、重要土地の売買について事前に届出が必要だったり、自衛隊・米軍・海上保安庁基地への妨害行為が確認されれば罰則もある、という部分を私権の制限ととらえ、反発しているようだ。
朝日新聞や沖縄タイムスはやたら不安を煽っているが、基地にそのような妨害工作でもするつもりなのかね?そうでなければ不安に思う必要はない。ごく普通の一般市民は調査や罰則の対象にならない事は明白だろう。スパイ防止法や特定秘密保護の時と同じ事を繰り返している。
以下に朝日新聞の記事を示しておこう。

【朝日新聞】どこが対象? どうしたら罰則? 土地規制法に不安の声 2021/6/4
神奈川県内の米軍・自衛隊基地の監視活動を約30年続けてきた。どこかに拠点を設け、艦船や航空機の出入りをチェックしてネットで配信したりすることは罰則の対象になるのか。

引用:https://www.asahi.com/sp/articles/ASP64455YP63UTIL03J.html?iref=sp_extlink

罰則対象になるかならないかはともかく、何でスパイのような活動報告をネットを使って全世界に公開・配信してるんですか?
この法案は国防のために成立したんですよ。

中国企業によるオーストラリアの島購入の事例

これと似た事例が過去にあったなあ…と思い返していたが、あった。これだ。
2020年、オーストラリアの島を中国企業が購入し、オーストラリア人の立ち入りを禁止したというものだ。以下はニューズウィーク日本版の記事。

  • 【ニューズウィーク日本版】オーストラリアの島を買って住民の立ち入りを禁じた中国企業に怨嗟の声 2020年12月2日
    https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2020/12/post-95114_1.php

この島は無人島ではなく住民がいるのだが、中国企業はビーチへの立ち入り、ボートでの接岸、滑走路へのアクセス、Airbnbを禁止。これにより観光客が立ち入る事も出来なくなったそうだ。
今回の沖縄の無人島購入が同様の問題、または安全保障上の重大な事態に発展する事は無いのか。
AUKUS(アメリカ、イギリス、オーストラリアの三国同盟)への参加を日本に打診してきたのも、こういった事を含めた中国の脅威・悪感情の増大があるからだろう。

土地規制法に反対していたマスコミ、野党

なお、2021年に、外国資本による売買・取得を規制する法案が検討されていた時点で、朝日新聞、立憲民主党、共産党等の新聞社や野党はこの法案に猛反対した事を付け加えておきます。
中国系など外資による基地周辺の土地買収が約700件も確認されいたのに、です。これは当時の産経新聞が報じています。
反対派の言い分は「国民監視、政府の裁量濫用の恐れ」というスパイ防止法の時にも見られたいつもの論調です。
当時の記事は下記になります。

関連記事

ひとつ言える事は「スパイ防止法に反対するのはスパイ」であるならば、「土地規制法に反対するものは工作員かそれに準ずる者」という事だ。

参考記事

  • 【日経新聞】重要土地利用規制法とは 安保脅かす取得・利用防ぐ 2021年8月12日
    https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA1142J0R10C21A8000000/
  • 【共同通信】官房長官「規制法の対象外」 中国女性「購入」の屋那覇島 2023/02/13
    https://nordot.app/997711961049055232?c=899922300288598016
  • 【産経新聞】安保対策の土地規制法案 公明難色で閣議決定先送り 私権制限で反発警戒 2021/3/9
    https://www.sankei.com/article/20210309-V5ZKDKCAK5P57GYBCYMCMYNVHI/
  • 【沖縄タイムス】社説[土地規制法施行]恣意的な運用許さない 2022/9/21
    https://news.yahoo.co.jp/articles/f360bc38eff690f00ea4ef8f5989b7ca95f1f6a5
  • 義昌商事株式会社|Yi-Chang Corporation.
    http://yanaha.co.jp/fudousan.php

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