ウイグルジェノサイドを否定する共同通信客員論説委員の主張が、中国の人民日報に掲載されている

ウイグルジェノサイドを否定する共同通信客員論説委員の主張が、中国の人民日報に掲載されている

先日、中国による新疆ウイグルでの「ジェノサイド」「強制不妊手術」「強制労働」を否定する東京大学教授という記事をアップしたのですが、共同通信の客員論説委員は、この東大教授の分析を高く評価しつつ『メディアを覆う中国批判「書き得」の空気』として中国擁護の姿勢を強く打ち出しています。

更に、米コロンビア大学のジェフリー・サックス教授の「ウイグルの農民を綿摘みに動員したのは間違いないにしても、強制したとはいえない」という主張を全面的に支持する姿勢で紹介しています。
以下は、この共同通信の客員論説委員の岡田充氏が寄稿したBusiness Insider Japanの記事からの引用です。

【Business Insider Japan】中国の新疆ウイグル問題「ジェノサイド認定を撤回すべき」経済学者ジェフリー・サックス氏、米政府批判の真意 May. 12, 2021
丸川氏の主張は以下のように要約される。
~中略~
地方政府が(ウイグル族の)農民を綿摘みに動員したのは間違いないにしても、強制したとはいえない。

引用:https://www.businessinsider.jp/post-234561

この共同通信の客員論説委員の主張がなんとそのまま中国側のメディアに掲載されており、ジェノサイド論に反論する中国の情報戦術にまんまと利用されている始末です。
以下は、環球時報(中国共産党の機関紙『人民日報』傘下のタブロイド紙)が共同通信社の客員論説委員にインタビューした内容を掲載した人民網(人民日報のネットメディア)の記事です。

【人民網】日本の学者の「新疆ジェノサイド」反論文、日本メディアに掲載されず 2021年05月21日
共同通信社の客員論説委員である岡田氏も、「日本のメディアの記事や動画でも、ジェノサイドという言葉を『カッコなし』で表記し、それが米国政府の主張にすぎないことを明確に示さず報道するケースが増えている。米国の主張には甘く、中国批判については事実を確認せずに大きく扱う『書き得』の空気がメディアを覆っている」と指摘している。

引用:http://j.people.com.cn/n3/2021/0521/c94474-9852793.html

東大教授と共同通信社の客員論説委員が主張する「ウイグルの強制連行、ジェノサイドはデマ」説を、中国共産党の機関紙が掲載している訳です。

なお、共同通信は2021年1月「ウイグル族弾圧は虐殺」と米国務長官が認定した際も、「不妊手術の強制」については朝日新聞と並んでこの件を掲載しなかった通信社です。
参考までに下記記事を参照。

全国に配信される共同通信の記事

また、この共同通信は全国の地方紙に記事を配信しており、四大紙を取っていなくても地方紙を取っていれば共同通信の配信の同じ記事を読んでいる事になり、実質全国紙の四大新聞と同等かそれ以上の情報拡散力を持っています。
(地方の違う新聞の記事を読み比べても、一言一句まったく同じ記事が掲載されている)
その共同通信が朝日新聞も顔負けの中国擁護・左傾化した状態となっている訳です。

先にも書きましたように「不妊手術の強制」をとりあげないという報道姿勢は、こういった論説委員の存在が影響しているのかもしれませんね。

参考記事

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