2014年のロシアによるクリミア強制併合まで、ウクライナは軍事費・兵力を年々減少させていた

2014年のロシアによるクリミア強制併合まで、ウクライナは軍事費・兵力を年々減少させていた

この記事のポイント

  • ウクライナの軍事費の対GDP比推移
  • ロシアのウクライナ侵攻後、国防費を増加させている欧州各国
  • 日本の国防費増額に反対するマスコミ、野党
  • 防衛費増額に反対する日本共産党
  • 経団連の防衛計画についての提言

ウクライナの軍事費の対GDP比推移

2022年、国土の東部・南部方面をロシアから侵略されたウクライナ。
攻撃を受けたのは2022年が初めてではなく、2014年にはすでに黒海沿岸のクリミア半島をロシアに併合され、奪い取られていた。

ではそれまでのウクライナの軍事費の推移はどうなっていたか、見てみよう。

ウクライナの軍事費の対GDP比推移

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  • GraphToChart. 「ウクライナの軍事費の対GDP比率(推移と比較グラフ)」. 最終更新:2021-03-22. https://graphtochart.com/public-sector/ukraine-military-expenditure-of-gdp.php,(参照日時:2022-08-08)

1993年以後のグラフを見ると、一旦1997年をピークに2013年まで次第に減少傾向だったのが見て取れる。
そして2014年に逆転し一気に増加するが、これがロシアのクリミア半年併合と重なる。
クリミアの併合は2022年のウクライナ侵攻の前哨戦だったとも言える。
世界的にも軍事費は削減の傾向にあったとか、ウクライナの財政・その他の諸事情もあっただろうが、やはりロシアの隣国は防衛費をおろそかにすると領土を奪い取られるのだ。

言っておくが、日本もロシアの隣国であるだけでなく、周辺国に力による現状変更をせまる中国、ミサイル発射で恫喝する北朝鮮とも隣り合わせである。
このような世界の中でも突出した厄介者に囲まれているのが日本である。
軍事費をおろそかにしてはならない。

ロシアのウクライナ侵攻後、国防費を増加させている欧州各国

ロシアによるウクライナ侵攻を受けて、欧州各国は防衛予算の増額に動き出した。
当たり前の反応だろう。
主にNATO推奨のGDP費2%目標だが、特にロシアに近い東欧各国では2.5%〜3%を目標に掲げている。

  • 【読売新聞】差し迫ったロシアの脅威…欧州各国、国防費増へ続々 2022/03/31
    https://www.yomiuri.co.jp/world/20220331-OYT1T50068/

日本と同じ敗戦国のドイツでもGDP費2%超である。

  • 【日経新聞】ドイツ、国防費14兆円の特別資金 GDP比2%超に 2022年6月4日
    https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB040JS0U2A600C2000000/

ロシアからある程度地理的に離れているドイツですら、こうである。
「戦後の事はドイツを見習え」派の人たちはどこへ消えたのかな?
何故ドイツを見習って国防費を増額せよと言わないのかな?
都合が悪いとダンマリを決め込む二枚舌どもめ。

日本の国防費増額に反対するマスコミ、野党

このような情勢下で、自民党はGDP比2%を公約に掲げました。
欧州の例を見るまでもなく、ロシア、中国、北朝鮮の隣国としてはごく当たり前の方針でしょう。
これを、社説上で「力のみの戦略」とあえて曲解して反対するのが朝日新聞です。
誰も軍事力のみの戦略など言っていないのだが…
もはや伝統芸能でしょうか。
朝日新聞ウォッチャーとしては、待ってました!やっぱりそうでなくちゃ。
と思ってしまいます。

  • 【朝日新聞】(社説)参院選 外交・安保 力のみでない戦略を 2022/6/24
    https://www.asahi.com/sp/articles/DA3S15333395.html

毎日新聞も同じ論調です。
既定路線ですね。
冷静さを失っているのは闇雲に反対派している側だと思うが。

  • 【毎日新聞】防衛予算の増額 冷静さ欠く議論は危うい 2022/6/3
    https://mainichi.jp/articles/20220603/ddm/005/070/122000c

他新聞社も続きます。
反対の嵐です。
彼らは日本をどこへ導こうというのでしょうか。
このままでは亡国まっしぐらでしょう。
今こそ欧州を見習え。

  • 【東京新聞】防衛費増へ自民がGDP比2%案 ウクライナ侵攻受け 達成なら米中に次ぐ規模 平和主義の形骸化に懸念 2022年4月9日
    https://www.tokyo-np.co.jp/article/170617
  • 【時事通信】防衛費増額、識者の見方は 財源、使途「議論深めて」【22参院選】 2022年07月03日
    https://www.jiji.com/jc/article?k=2022070200312&g=pol
  • 【中国新聞】社説:自民党の安全保障提言 危機に便乗、許されない 2022/4/27
    https://www.chugoku-np.co.jp/articles/-/159692

そしてロシアは国防費のGDP比2%超を目指すドイツを非難しています。
何故かロシアの言い分と日本のメディアの主張が完全一致していますよ。
何故でしょうね?

  • 【共同通信】ドイツ国防費、GDP比2%超に ロシア「再軍事国家化」と非難 2022/6/4
    https://nordot.app/905615726713307136

また、元朝日新聞記者のジャーナリスト・軍事評論家の田岡俊次氏は、防衛費増額についてダイヤモンドオンラインの過去記事でこのように言っていた。

  • 「防衛費GDP比2%」は“平和ぼけタカ派”の空公約 2021.11.11
    https://diamond.jp/articles/287137

だそうだ。
防衛費を上げても装備品調達が進むだけで人員の確保も難しいままだと脅すような内容だ。
敵基地攻撃能力は現実味が無いと言いたいのだろうが、とにかく防衛費増額が気に入らないらしい。さすが、元朝日新聞の記者だと思わされる記事だった。

ついでに言っておくと、日本に彼が言うタカ派の政治家など居ない。
今の日本のどこに「武力行使も辞さない」「武力解決をする」などと公言している政治家がいるんだ。
言い掛かりも大概にしてもらいたい。
武力行使云々をいつも言っているのは中国の方だろう。

防衛費増額に反対する日本共産党

もちろん、日本共産党も大反対です。
立憲民主党ですら防衛費増額に理解を示しているというのに、この辺りもテッパンネタでしょう。
予想を裏切りません。

  • 【日本共産党】自公維国が軍事費2倍化で狙う 暮らし削る大軍拡計画 2022年6月21日
    https://www.jcp.or.jp/akahata/aik22/2022-06-21/2022062101_03_0.html

このような主張をする党に投票していたら、いずれ中露に国土を蹂躙されますよ。

なお、中国の軍事費は恐ろしい割合で年々増加しています。
詳しくはこちらの記事を参照ください。

経団連の防衛計画についての提言

そんな中、経団連(一般社団法人日本経済団体連合会)は防衛計画の大綱に向けた提言を2022年4月に発していて、中身を見るとなかなかしっかりした事が書かれていた。

まず、海外からの装備品調達が増加している事を指摘して、続けてこのように言っている。
やや長いが引用してみる。

【一般社団法人 日本経済団体連合会】防衛計画の大綱に向けた提言 2022年4月12日
また、装備品の高度化と複雑化により、調達単価が上昇し、調達数量が減少している。こうした傾向が続けば、製造の空白期間や、年度ごとの調達量の増減が生じ、防衛産業は安定的な操業ができなくなり、人員規模を縮小せざるを得ない。

わが国の防衛関連企業では、欧米の企業に比べて防衛事業が売上に占める割合や利益水準が低いため、防衛事業を維持する必要性について、ステークホルダーへの説明に苦慮している。厳しい経営環境において、将来性が見通せず、防衛事業から撤退する企業が相次いでおり、事業の承継も容易でない。その一方、防衛産業の顧客は防衛省のみにほぼ限定され、市場規模の拡大が見込まれないなか、防衛産業に参入する企業は少ない。こうした防衛産業の特徴により、防衛産業基盤が一旦失われると、回復することは極めて困難となる。

引用:https://www.keidanren.or.jp/policy/2022/035_honbun.html

つまり、国内の貿易産業基盤をもっと大事にせよと言うのだ。
装備品調達が不安定となると、今後、人員の確保も難しかろうと。
人員確保のためにも、防衛費を増額したり、サプライチェーンの充実で装備品確保をすべきだろう。
経団連もたまには良い事を言う。
前述の田岡氏も、これぐらい役に立つ分析をしたらどうか。
同記事から、以下に見出しだけを引用してみよう。

(1) 防衛生産・技術基盤の維持・強化
① 「防衛生産・技術基盤戦略」の改定
② 防衛産業のサプライチェーンの整備・強靭化

(2) 調達制度改革
① 適正な利益水準の確保
② 調達手続の効率化
③ 契約条件の見直し
④ 長期的・総合的に評価する入札制度の検討

(3) 先進的な民生技術の積極的な活用
① 先進技術開発の推進
② 研究開発ビジョンの継続的な見直し

(4) 防衛装備・技術の海外移転
① 海外移転の方針の策定
② 官民連携による海外移転の推進
③ 海外移転を推進する措置

(5) 防衛産業サイバーセキュリティ基準への対応

(4)で防衛装備・技術の海外移転とあるが、これは端的に言うと、政府のトップセールスで武器を海外輸出せよ、という事だ。
そうなれば国内の武器・装備品も生産コストが結果的に下がるだろうし、海外勢に武器・装備品類の調達を握られることもない。

このあたりは、元航空幕僚長の田母神俊雄氏の主張とも一致している。非常に理に適っていると思う。

台湾有事と同時に日本の南西諸島も攻撃を受けるかもしれない。
とにかく、マスコミや共産党の荒唐無稽な反対に潰されず、一日も早く国防体制が正常化されるのを期待したい。

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