防衛費「数値ありき」と批判するマスコミ、野党...脱炭素では欧州を見習えと数値目標を推奨していなかったか?

防衛費「数値ありき」と批判するマスコミ、野党...脱炭素では欧州を見習えと数値目標を推奨していなかったか?

先日、自衛隊の予算不足は深刻で継戦能力にも支障が出る程だとか、防衛費増額についての中国側からの非難を存分に報道するマスコミについての記事を書いたばかりでしたが、今回はその続きです。

日本政府は、2023年からの5年間で防衛費を総額43兆円に増額するという。
現状の中期防衛力整備計画では5年間の総額27兆4700億円だったので1.5倍以上だ。
岸田首相は27年以降はGDP比2%にするとも明言しているので、これでやっと日本も欧州先進諸国並みの防衛費を得て、ようやく当たり前の事をやる国になる。
財源をどうするかは、また別の問題であり、この措置自体は必要だろう。

  • 【日経新聞】防衛費「5年で43兆円」、岸田首相指示 23年度から 2022年12月5日
    https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA058XD0V01C22A2000000/

各社「〜ありき」と紋切型の批判を展開する新聞社

ところが、この当たり前にケチをつけるのが日本のマスコミと特定野党だ。
朝日新聞、毎日新聞をはじめとする新聞各紙や、立憲民主党、共産党などの野党がこの数値目標に猛反対している。
国産の長射程対艦ミサイルの生産・配備にはあと数年かかる見通しだが、その数年すら待てずにアメリカの実績のある長射程ミサイル・トマホークの購入を検討しなければならないほど、事は急を要する。
今、圧倒的に予算が足りていないのだから数値目標をかかげる事の何がいけないのか。
むしろ遅すぎたくらいだ。
反対の理由が分からない。

マスメディアは脱炭素、カーボンニュートラルや男女共同参画での女性議員比率では数値目標を目指せとか、欧州諸国を見習えとか言って来なかったか?
ならば防衛費でも同じ事を言わなければ一貫性が無い。何故こちらは数値目標を叩くのか。
あまりにダブルスタンダードぶりが酷くないか。

以下、いくつから記事をピックアップしてみる。
見出しに「規模ありき」「数字ありき」「2%到達ありき」「増額ありき」と、「〜ありき」の表記が横並びである。好きだねえ、新聞社はこういった表現が。

  • 【朝日新聞】防衛費、5年間で43兆円 財源、年末に一体決定 首相指示 規模ありき、1.5倍超に 2022/12/6
    https://www.asahi.com/articles/DA3S15494452.html
  • 【毎日新聞】防衛費2%の首相指示 やはり「数字ありき」だった 2022/11/30
    https://mainichi.jp/articles/20221130/ddm/005/070/088000c
  • 【東京新聞】防衛費5年で43兆円、GDP比「2%」到達ありきで財源確保は後回し…当面国債発行で数年後に増税か 国民負担は必至 2022年12月7日
    https://www.tokyo-np.co.jp/article/218352
  • 【秋田秋田魁新報社】社説:防衛費GDP2% 「増額ありき」は無責任 2022年12月1日
    https://www.sakigake.jp/news/article/20221201AK0011/

付け加えておくと、日本共産党、立憲民主党も同じく「〜ありき」の表現で批判を展開している。

  • 【時事通信】防衛費増「数字ありきでない」 立憲民主党の泉代表 2022年05月24日
    https://www.jiji.com/jc/article?k=2022052400676

先日も書いたように、中国は日本の防衛費増額を相当嫌がっている。つまり、これは「効いている」という事だ。
日本のマスコミや野党がこれだけ批判してくれるのだから、中国はさぞほくそ笑んでいるところだろう。

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