兵庫知事選に斎藤氏当選でテレビ番組「大手メディア敗北」発言は偏向報道・印象操作の自白か
2024年11月17日、兵庫県の前知事である斎藤元彦氏が失職した事による兵庫県知事選挙が実施された。
猛烈なバッシングを受けていた斎藤氏を圧倒して、当初は対立候補の稲村和美・前尼崎市長が有利の情勢だったが、結果的には斎藤氏の逆転勝利となった。
この斎藤氏の当選をメディアは「メディアの敗北」と報じていた。
例えば宮根誠司氏は、自らがキャスターをつとめるフジテレビ「Mr. サンデー」において「大手メディアの敗北」と語っていた。これは彼1人の個人的な見解ではなくメディア総体としての見方だろう。
この「メディアの敗北」は一時、ネットのトレンドワードとなった。
何がどう敗北なのか?
つまりメディアは「斎藤氏を猛バッシングする事で視聴者を扇動し、返り咲きを阻止したかったがうまく民意を誘導できず再選を許してしまった、敗北だ」と言っている訳だ。
そうとしか読めない文脈である。
「メディアがSNS、ネットに負けた、という意味だ」という見方もあるだろうが、根本は同じだ。扇動しようとしたが世論を誘導し切れず覆せなかった、という事だろう。
メディア側が「敗北」と自白してしまった決定的瞬間である。
人々を分断した、という見方もあるがそれも結果論であり、事の重要性、本質は「大手メディアは自らの主義主張に有利なように民意を誘導しようとしている」というところにあると考えている。
いわゆる偏向報道、印象操作的な報道である。
数ヶ月続いた凄まじい斎藤知事バッシング
斎藤氏への新聞・テレビのバッシングは凄まじく、大メディアはパワハラ知事、おねだり知事のイメージを定着させようとしているかのようだった。
特に問題がある報道と考えられるのが県職員に実施したアンケート調査結果の「パワハラ見聞きした4割超」というものだ。NHKをはじめ、他のテレビ局、新聞社もこぞって同様の報道をしていた。
この報道を見ればほとんどの者が「パワハラが横行していた」と感じるし、斎藤知事=パワハラ知事のイメージがすり込まれるだろう。
しかし、アンケート調査の全体集計結果をよく見ると「知事のパワーハラスメントについて、目撃(経験)等により実際に知っている」は2.1%である。
4割超というのは、人づてに聞いた、など複数の結果を合算したものなのだ。
4割超と2.1%という、数字のトリックで印象操作をしている訳だ。
この数字自体は嘘ではない。その使い方の問題だ。
実際にパワハラがあったのかどうかではなく、ここではメディアがこうした数字のトリックを使って視聴者を思考誘導しているのだ、という点を強調しておく。
また、斎藤知事のパワハラ疑惑を告発していた元西播磨県民局長が死亡した事についても、知事による「独裁者的粛清」が原因という報道がなされていた。
しかし、元局長が死亡する前の様子を県関係者が「百条委員会で知事の問題と無関係のプライベートな事柄を公表されることを気にしていた」と証言をしたという一部報道もあった。
この「プライベートな事柄」なるものはオフィシャルに公開されていないようなので真相は分からないのかもしれないが、元局長の死は知事のせいだと無理にこじつけたのではないか?
テレビのコメンテーターはよってたかって知事を悪者に仕立てあげていった。
にもかかわらず、知事選において斎藤氏が逆転勝利してしまった。
冒頭にも述べたが、これを「大手メディアの敗北」であるとメディア側が進んで自白した。
自浄作用は働かないだろう。どうせまた同じ事を繰り返す。
事実がどうであれ、視聴者を騙して良いという事にはならない。斎藤氏が知事に相応しい人物かどうかも私は知らないが、それでも印象操作で扇動するのは言語道断。
やはりメディアの偏向報道、印象操作は視聴者が見破るしかない。
参考記事
- 【日刊スポーツ】宮根誠司「大手メディアの敗北」兵庫知事選めぐり異例の言及「テレビの方がフェイク」の指摘も 2024年11月18日
https://www.nikkansports.com/m/entertainment/news/202411170001885_m.html - 【関西テレビ】内部告発し死亡した元県民局長 「プライバシーの配慮」求めていた 知事“パワハラ疑惑”真相究明は進むか 2024年07月10日
https://www.ktv.jp/news/feature/240709-naibukokuhatsu/ - 【NHK】兵庫 斎藤知事 “業務上の指導” 職員の約4割パワハラ見聞きに 2024年8月20日
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240820/k10014554141000.html - 【兵庫県ホームページ】「兵庫県職員アンケート調査」集計結果(全体)
https://web.pref.hyogo.lg.jp/gikai/iinkai/index/tokubetsu/bunsho/documents/bunsho_questionnaire1011.pdf