中露艦艇の宗谷海峡通過を中国主張通りの「パトロール」と書くNHK、報道しない新聞社
防衛省統合幕僚監部によると2024年9月23日、中国・ロシアの駆逐艦やフリゲート艦が宗谷海峡を東に向けて共同で航行、太平洋側に抜けていったという。
8月26日には中国軍の「Y9情報収集機」一機が長崎県五島市の男女群島沖の日本領空に戦後初の領空侵犯したばかりである。
※9月23日にはロシア軍機による北海道礼文島沖での領空侵犯も発生。
これら事象は偶発的に起きた個別事案ではなく、当然日本に対する一連の威嚇行為と見るべきだろう。
中露による軍事的威嚇の度合いは、いよいよ高まっている。
その、宗谷海峡を中露艦隊が航行していくのを、中国の言い分そのままの「パトロール」と記事タイトルに書くのがNHK、全く報道しなかったのが朝日新聞、毎日新聞、読売新聞である。記事にしたのは四大紙で産経新聞だけだった。
※Google検索、サイト内検索で確認
「パトロール」とは我々の一般的な感覚では、警官が犯罪や事故などの防止、発見のために担当の区域を巡視する事を指している。
本文中では「(中国は) 合同パトロールを行うと今月、発表していて」という風に「中国側の主張によると」というニュアンスがあるものの、それをそのままタイトルにするかね。
つまりNHKは、これはパトロールなので脅威ではないのです、と遠回しに言いたいわけだ。
中国とロシアの艦艇9隻が宗谷海峡を通過 合同パトロールかhttps://t.co/bcJl4z3KXH #nhk_news
— NHKニュース (@nhk_news) September 23, 2024
これは何もNHKに難癖をつけているのでなく、その背景がある。
2021年、朝日新聞は中国軍傘下の準軍事組織である中国海警局の艦艇が尖閣周辺に出没、領海侵入を繰り返している時に「中国公船ががパトロール態勢を整えた
」と報道しているし、同じ頃に玉城デニー沖縄県知事は「中国公船がパトロールしているので、故意に刺激するようなことは避けなければならない
」と語っている。
中国自身は「パトロールは正当な措置」と発表しているので、これら主張はほとんど中国の言い分そのままではないか。
君らは一体どっちの立場から言っているんだ、という話である。
左派メディア・左派論客は全般にこのような姿勢なのだ。
ちなみに、9月25日に岸田首相の派遣指示により、海自の護衛艦「さざなみ」がオーストラリア、ニュージーランド海軍と台湾海峡を初通過したそうである。
牽制に動いてくれた訳だ。
- 海自護衛艦「さざなみ」が台湾海峡を初通過、岸田首相が派遣指示…軍事的威圧強める中国をけん制 2024/09/26
https://www.yomiuri.co.jp/politics/20240925-OYT1T50170/
岸田首相、散り際になかなかの事をやってくれた。
あの強面でもうしばらくゴリッとやってくれても良かったんじゃないか。
参考記事
- 中国とロシアの艦艇8隻が宗谷海峡から太平洋へ共同航行、防衛省が確認 2024/9/23
https://www.sankei.com/article/20240923-BKBGVOMRVZMLHLRYVKYMDBUC6M/