原発処理水を「汚染水」と表現する福島瑞穂議員…トリチウム排出量は諸外国の方が日本より多い
社民党の参議院議員の福島瑞穂(みずほ)さんですが、原発の処理水の事を未だに「汚染水」と表現しています。これは科学的に見て正しい表現ではありません。彼女の主張がいかに間違っているかをつぶさに見ていきましょう。
「放射能汚染水を海に流すな!」というテーマで、経産省、東京電力、外務省、環境省、原子力規制庁と交渉をしています。 pic.twitter.com/CiYLiyGCSV
— 福島みずほ (@mizuhofukushima) December 7, 2021
おそらくは処理水に含まれているトリチウム(三重水素・水素の同位体)を指して放射能汚染水と呼称しているのでしょうが、トリチウム自体は宇宙から降り注ぐ宇宙線と大気が交わることで自然界でも生成され雨(水蒸気)や水道水にもごく普通に含まれており、人体内にも取り込まれています。
希釈されてごく微量なら人体や自然界にも安全、という訳です。
ここまで危険を煽るのは科学的にも正しくありませんし、風評被害をもたらすだけです。
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参考
【資源エネルギー庁】安全・安心を第一に取り組む、福島の“汚染水”対策②「トリチウム」とはいったい何? 2018-11-22
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/osensuitaisaku02.html
日本の処理水海洋放出を批判する韓国、中国
このように、トリチウムが一定の濃度以下なら全く問題が無い処理水の放出ですが、中国、韓国は批判を展開しています。
以下は産経新聞の記事です。
- 【産経新聞】トリチウム水放出 中韓の非難は見当違いだ 2021/4/17
https://www.sankei.com/article/20210417-4SXPXGLFLRLVDDPDWJYCHCLHOE/
産経新聞の記事中にもありますように日本政府の計画では、トリチウムの年間放出量は22兆ベクレル以下です。
これは重要なので覚えておいてください。
日本は年間22兆ベクレル以下です。
諸外国の原発から、日本以上に大量に放出されているトリチウム
このトリチウム、排出量が「22兆ベクレル」と聞くと何やら恐ろし気な印象を受けますが、実際の放射線の影響度で言えば1ベクレルあたり0.000000019シーベルトで、セシウムと比較しても健康への影響度は約300分の1になります。
※以下は資源エネルギー庁の参考記事です。
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参考
【資源エネルギー庁】安全・安心を第一に取り組む、福島の“汚染水”対策③トリチウムと「被ばく」を考える 2018-11-30
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/osensuitaisaku03.html
一方、諸外国の原発・再処理施設からの放出量はどのような状況なのでしょうか。
経済産業省が貴重なデータを公開しています。
以下、参照してみましょう。
液体放出 | 気体放出 | |
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英・セラフィールド再処理施設(2015年) | 約1540兆ベクレル | 約84兆ベクレル |
仏・ラ・アーグ再処理施設(2015年) | 約1京3700兆ベクレル | 約78兆ベクレル |
西・アスコー原発(2002年) | 約95兆ベクレル | |
加・ブルースA,B原発(2015年) | 約892兆ベクレル | 約1079兆ベクレル |
加・ピッカリングA,B原発(2015年) | 約372兆ベクレル | 約535兆ベクレル |
米・キャラウェイ原発(2002年) | 約42兆ベクレル |
- 【経済産業省】トリチウムの性質等について(案)(参考資料)
引用:https://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/osensuitaisaku/committtee/takakusyu/pdf/007_09_00.pdf
以上、どうでしょうか。
日本とは桁違いの量を大量に排出している国もありますね。
次に、日本に難癖をつけている中国・韓国の放出量はどうか。
同じく、経済産業省が公表しているデータから参照してみましょう。
国・原発名 | 液体 |
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中国 泰山第三原発(2019年) | 約124兆Bq |
中国 陽江原発(2019年) | 約107兆Bq |
韓国 古里原発(2019年) | 約91兆Bq |
- 【経済産業省】トリチウムの年間処分量 ~近隣アジア諸国・地域の例~ 2021年5月17日更新
引用:https://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/hairo_osensui/pdf/alps_kanren_2.pdf
これを見れば分かるように、日本を批判している中国・韓国でのトリチウム排出量は日本を上回っています。
それでもなお、自分のやっている事を棚に上げて日本批判を展開しているのです。
彼らの主張には科学的な根拠などは無く、ただただ日本にダメージを与えたいその一心なのでしょう。
その証拠に、過去には韓国メディア自身が「福島の放射性物質の影響は韓国に影響しない」と報じながら、2019年7月の日本政府による輸出管理強化以降に、その姿勢を反転させた経緯があります。
FNNの以下記事を参照ください。
- 【FNNプライムオンライン】「影響なし」が突然「危険」に…原発処理水を反日政治利用した韓国にブーメラン 2021年4月15日
https://www.fnn.jp/articles/-/169557?display=full
処理水の海洋放出が日本の弱点だと見れば、彼らはそこを突いてくるのです。
何故こうした情報を日本の大新聞・テレビ等の各メディアはもっと流してくれないのでしょうか。
報道しない自由の行使でしょうか。
処理水放出を日本のメディアはどう報道していたか
日本のメディアは福島原発の処理水の海洋放出をどのように報じていたかについては過去記事のこちらを参照ください。
福島瑞穂議員の言い分は中国・韓国の主張と完全に一致
以上見てきたように福島瑞穂議員の言い分は中国・韓国の主張と完全に一致しています。
彼女には日本の国益のために働く事を切望します。