ロシア戦車揚陸艦『オスリャービャ』北海道脇の国後島に現る!高まる軍事的圧力

2025年4月18日午後5時頃、北方領土・国後島付近の海域で、ロシア海軍の戦車揚陸艦とみられる艦艇が確認された。
艦艇の側面には「066」の番号が確認され、ロシア海軍の「ロプチャーI級戦車揚陸艦」に類似し、具体的には太平洋艦隊所属の「オスリャービャ」(艦番号066)と推定されている。
この艦は戦車や人員を直接陸揚げ可能な揚陸艦として知られる。
それが北方領土・国後島付近のすぐ付近に現れた訳だ。
北方領土と聞くと、かなり遠方なのではと思うかもしれないがロシア揚陸艦が現れた場所を地図で確認すると、北海道のすぐ脇だと分かる。
海上保安庁では、ロシアから国後島、色丹島及び歯舞群島付近で射撃訓練を行う旨の通告を受け、周辺水域に17日(木)16:00から22日(火)23:00まで航行警報を発出しています。
— 北海道防災情報 (@hokkaido_bosai2) April 18, 2025
道では、情報収集を行うとともに、新たな情報があれば、お知らせします。
対象水域は画像のとおり pic.twitter.com/jLWgqtUzqe
北海道のこんなにすぐ近くにロシアの戦車揚陸艦が現れたのである。
これは地元の北海道放送(HBC)はじめ複数のメディアで報道されている。
2022年、戦車揚陸艦が津軽海峡を通過した際には、車両や兵士をウクライナへ輸送しているとも言われていた。
また、2024年には日本海からオホーツク海で行われた軍事演習への参加のため戦車揚陸艦2隻が津軽海峡を通過。
そして今回、冒頭のように2025年4月18日に射撃訓練で北方領土・国後島付近に出没。
さらに4月22日には宗谷海峡沖をロシア海軍の駆逐艦と戦車揚陸艦が西進、これに対して海上自衛隊の最速護衛艦「わかたか」が急行する事態も発生。
4月17日から計画されている射撃訓練参加によるものだと思われる。
ロシアによる北方領土での軍事活動活発化
ロシアによる北方領土での軍事活動は、近年ますます活発化している。
ロシアは北方領土に対空ミサイルや対艦ミサイルを増強、2021年には大規模な着上陸演習が実施された。今回の戦車揚陸艦の出現も、こうした軍備強化の一環とみられる。
2022年のウクライナ侵攻以降、ロシアは西側諸国との関係悪化に伴い、日本を含む「非友好国」への対抗姿勢を強めている。
現実味を感じさせる戦車揚陸艦による上陸作戦
2022年にはロシア軍・東部軍管区が新たに主力戦車(T-80BV)の複数配備を発表。
場所は明言されていないが択捉島や国後島の可能性が高いという。
そしてそれ以降の戦車揚陸艦による軍事演習の活発化である。
これまで、北海道の自衛隊戦車部隊は、冷戦時代にはソ連の脅威への対抗策として評価されたものの、冷戦終結後、中国や北朝鮮への戦略シフトや現代戦の変化により、「現実味がない」「冷戦の遺物」と批判される傾向があった。
ロシアが北海道に揚陸しようにも、海上自衛隊、航空自衛隊に接近を阻まれ阻止されるから、戦車戦はありえない、という論だ。
しかし、ロシアの揚陸艦は着上陸作戦を可能にする装備であり、北方領土でのロシアの軍事活動が日本への潜在的脅威であることを再認識させられた。
今回の艦艇「オスリャービャ」は艦齢44年と老朽化が進んでいるものの、象徴的な示威行動としては十分な効果を持っていたのではないか。
可能性は低くても、やはりロシアは北海道上陸の野心を捨てていなかった。
ウクライナ侵攻時にも専門家ほど「そんな事はありえない」と言っていたのを思い出そう。
危機を煽りたい訳ではないが、備えあって憂い無し、でいこう。
参考記事
- 【FNNプライムオンライン】【独自】北方領土付近でロシア海軍の戦車揚陸艦とみられる一隻を確認 日本へ射撃訓練通告 2025年4月19日
https://www.fnn.jp/articles/FNN/860252 - 【のりものニュース】最大80km/h以上! 海自の最速艦が「宗谷海峡」に急行か 戦車揚陸艦の出現に警戒監視 2025.04.24
https://trafficnews.jp/post/541678 - 【NHK】ロシア海軍 戦車揚陸艦4隻が津軽海峡通過 防衛省 2022年3月17日
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220316/k10013535621000.html - 【サンスポ】ロシア軍、北方領土に新戦車配備 T80BV、寒冷地対応 2022/01/12
https://www.sanspo.com/article/20220112-2O3TLHDDMRIUFJAWOCS3YD572M/