TikTokとデジタル庁が連携してマイナンバー普及促進ショートムービーを公開?日本のセキュリティ意識の低さか

TikTokとデジタル庁が連携してマイナンバー普及促進ショートムービーを公開?日本のセキュリティ意識の低さか

2022年9月8日、TikTokとデジタル庁が連携して、普及がイマイチ進まないマイナンバーの取得を促す広報用ショートムービーを公開したという。
ちょうど前日の2022年9月7日には朝日新聞がTikTokのセキュリティ面で懸念があるとの記事を書いていたという間の悪さでした。

TikTokの危険性は今年に入ってからも何度も指摘されております。
アプリ内のブラウザ越しにwebサイトを閲覧した場合、ID、パスワード、クレジットカード番号等を含む全てのキー入力をはじめ、クリップボード等のあらゆるデータを収集する機能が備わっていたとの事。
入力情報を盗む機能はコンピュータウイルス・マルウェアの類いにも搭載される事がある「キーロガー」という機能そのもので、アンチウイルスソフトで検出されるようなシロモノです。米連邦通信委員会は、安全保障上の理由でアップルとGoogleに対し、アプリストアからの削除を要請したそうです。

プレジデントオンラインによると、さらに怖いのは、位置情報だそうだ。

【プレジデントオンライン】写真、連絡先、予定、下書き…スマホからあらゆるデータを吸い出すTikTokを米国政府が危険視するワケ 2022/08/08
米軍事ニュースサイトの「ミリタリー・タイムズ」は、収集されているデータのうち、特に位置情報が安全保障上の脅威になると指摘している。仮に一定数のアメリカの兵士たちが個人のスマホに同アプリをインストールし、収集した位置情報が中国政府に渡ったならば、アメリカ軍全体としての動向が国外に漏洩しかねないとの懸念だ。

引用:https://president.jp/articles/-/60259

ここまでくるとスパイアプリそのもので軍事的な脅威に直結する可能性があります。
こんな重要な情報が中国に漏洩するかと思うと恐ろしい限り。
安全保障上の理由でアプリストアから削除を要請するのも頷けます。

中国の「国家情報法」

アプリ運営の「バイトダンス」社は、入力情報の収集は認めたものの、あくまでもパフォーマンス監視のためで悪用はしないと主張しています。

しかし、仮にそうだったとしても中国には「国家情報法」というものがあり、個人や組織は国の情報活動に協力しなければならないという事になっています。
中国共産党政府に情報が筒抜けになるでしょう。

2年以上前から情報漏洩の危険性が指摘されてきたTikTok

TikTokの危険性はもう少なくとも2年以上前から指摘され続けております。
こちらの過去記事を参照ください。

Twitterでエゴサーチをすると言われている程の情報通である河野太郎デジタル大臣が、TikTokの危険性を知らぬはずが無いと思うのだが…
だとしたらその意図は何だろう。
デジタル化を促進した結果、いつの間にか中国に首根っこを抑えられていた、では話にならない。

なお、2020年に米国がTikTokを危険視する政策を打ち出した時、毎日新聞は「米のTikTok排除 ネットの自由奪わないか」という中国を擁護するかのような社説を書いていた事も付け加えておきます。
こちらは以下参照。

日本の役所のこの危機管理意識の希薄さは一体何だろう。もう既に中国に首根っこを押さえつけられているのか、ただの田舎者マインドで平和ボケしているだけなのか。はたまたその両方か。

参考記事

  • 【日経新聞】TikTok、デジタル庁と連携のもとマイナンバー制度の普及啓発を目的としたショートムービーを公開 2022年9月8日
    https://www.nikkei.com/article/DGXZRSP639790_Y2A900C2000000/
  • 【朝日新聞】TikTok、高まる警戒 専門家「アプリに入力情報把握機能」 中国企業は収集否定 2022/9/7
    https://www.asahi.com/articles/DA3S15408932.html
  • 【CNET Japan】TikTok、アプリ内ブラウザーで全てのキー入力を監視--悪用は否定 2022年08月22日
    https://japan.cnet.com/article/35192132/
  • 【読売新聞】アップルとグーグルに「TikTok削除」要請…米側は中国への情報流出懸念 2022/06/30
    https://www.yomiuri.co.jp/world/20220630-OYT1T50140/
  • 【朝日新聞】TikTok、入力情報を収集か 運営「パフォーマンス監視のため」 2022/8/29
    https://www.asahi.com/articles/ASQ8Y53V5Q8YULFA00J.html

広告