貨物船「白虎」と衝突した外国船籍の船、運航は韓国の会社だがその事実を報じない新聞社
2021年5月28日、海運会社プリンス海運が運航する貨物船「白虎」が外国船籍のケミカル船ウルサン・パイオニアと衝突し沈没、白虎側に死者・行方不明者が出る事故が発生したというニュースが流れました。
大手新聞各社の記事では「マーシャル諸島船籍、または外国船籍のケミカル船ウルサン・パイオニア」としか記述されておらず、運航会社の国名や社名は一切触れられていませんでした。
一方で、NHKや日本海事新聞(そんな新聞があるんですね)、韓国側のニュース記事では『「ULSAN PIONEER」を運航していた韓国の「興亜(フンア)海運」』であると明確に書かれています。
つまり韓国の興亜(フンア)海運が運航するマーシャル諸島船籍のケミカル船「ULSAN PIONEER」、という表記が正確だという事になりますが、何故日本の新聞社は運航しているのは韓国の会社であるという事実を隠すような事をするのでしょうか。
まずは朝日新聞の記事を引用してみましょう。
【朝日新聞】貨物船沈没、船長ら3人が不明 現場は海上交通の難所 2021年5月28日
神戸市の海運会社プリンス海運が運航する貨物船白虎(1万1454トン、12人乗り組み)と、マーシャル諸島船籍のケミカル船ウルサン・パイオニア(2696トン、13人乗り組み)が衝突した。白虎は約3時間後に沈没。引用:https://www.asahi.com/articles/ASP5X3HYZP5XPTLC00H.html
ほか、毎日新聞、読売新聞、産経新聞、日経新聞、共同通信も同様の書き方で、韓国の海運会社が運航していたと書かれている記事は皆無でした(2021年5月31日PM9時現在)。
サイト内検索やgoogle検索のどちらでも表示されなかったのでそういった記事が無いのは確実だと思います。
NHK、日本海事新聞、韓国側のニュース記事では韓国の海運会社だと明記
以下は運行していたのが韓国の会社だと分かるように記述してあるNHKの記事からの引用です。
【NHK】外国船籍の船と衝突 日本の貨物船が沈没 3人不明 愛媛県沖 2021年5月28日
「ULSAN PIONEER」を運航していた韓国の「フンア海運」はNHKの取材に対し「迅速な収束と対処のため関係者と緊密に連絡を取り合っている。現地の代理店を通じて海上保安庁による救助活動に積極的に協力し、調査にも誠実に取り組んでいく」とコメントしました。
※引用者注:「HEUNG-A」
※引用者注:「ULSAN PIONEER」にもハングルが併記引用:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210528/k10013055551000.html
「ULSAN PIONEER」を運航していた韓国の「フンア海運」とはっきりと書かれていますね。
次は日本海事新聞 電子版からです。
【日本海事新聞 電子版】内航RORO船が沈没、外航ケミカル船と衝突。来島海峡 2021年05月31日
北星海運(本社・東京都)が保有しプリンス海運(神戸市)が運航する内航RORO船「白虎」(1万1454総トン、乗組員12人)と、韓国の興亜海運が運航する3500重量トン級ケミカル船「ULSAN PIONEER」(乗組員13人、マーシャル諸島船籍)が衝突した。引用:https://www.jmd.co.jp/article.php?no=267882
こちらも『韓国の興亜海運が運航する3500重量トン級ケミカル船「ULSAN PIONEER」(乗組員13人、マーシャル諸島船籍)』とはっきり書かれています。
次は韓国の通信社、聯合ニュースからの引用です。
【聯合ニュース】愛媛沖で貨物船衝突 日本の船員3人行方不明=韓国人は全員無事 2021.05.28
韓国の海運会社が所有するケミカル船と日本の貨物船が衝突した。
〜中略〜
ケミカル船「蔚山パイオニア」(2696トン)は韓国の興亜海運が所有し、船籍をマーシャル諸島に置く便宜置籍船。引用:https://jp.yna.co.kr/view/AJP20210528001900882
こうなると、日本の新聞社は船籍は大きく取り扱うが所属国名は明記しないルールでもあるのかと思いましたが、過去の朝日新聞の記事を読む限りでは最初に国名を明記、船籍は末尾に記載されているというように、そのような慣習も無いことが分かります。参考までに以下にリンクを示しておきます。
- 漁船とロシアの貨物船が衝突、3人死亡 北海道・紋別沖 2021年5月26日
https://www.asahi.com/articles/ASP5V3SF4P5VIIPE002.html
新聞社は一体何に忖度しているのでしょうか?これも報道しない自由なのでしょうか?